デジタルリマスター版が上映されていたので初めて見に行きました。
変な映画で奇妙だとあらすじだとか、公開された当時の印象のままでしたが
ラスト10分くらいで一気に泣いてて自分でびっくりした
※基本映画カテゴリはネタバレに配慮せず・知ってる人向けに書きます※
「アメリ」
2001年製作/121分/フランス
原題:Le fabuleux destin d'Amélie Poulain
監督脚本:ジャン=ピエール・ジュネ
出演者
オドレイ・トトゥ
あらすじ
幼少期から普通の子と同じ様に学校へ通わせてもらえなかったアメリは、一人ぼっちのまま大人になる。一人暮らしをし、カフェで働く日々だったが…
ある日バスルームから古ぼけた缶の中に、ある人の写真などが入った宝箱を見つける。その持ち主を探し、当てが外れる中ついに持ち主を見つける…その出来事がきっかけで、様々なお節介をしつつ周りの人を幸せにしていく中、捨てられた証明写真を収集する不思議な青年と出会い、アメリの中に不思議な感情が芽生えていく…
BGMってゲームでも映画でも世界観を作る大事なファクターですね。
曲の印象がほんのり人の記憶に残れば勝ちだとおもいます。(ほんとか?
フランス音楽の独特な…何ていうんだ…?ジャンルわかんねえ…
アコーディオンを中心とした、カントリー感(?)マシマシのBGMが全編通してお出迎え。
シンプルに感動したしなんか泣いちゃってたわ。
目から入ってくる色彩、調度品、カメラアングル、曲と雰囲気…
すべてにおいてオシャレで、だけど日常で、生活がありました。
良いなと思った点
登場人物が全員キャラが濃い
登場人物が序盤で紹介されるのですが、好きなこと・嫌いなことセットで説明されるだけでもほんの少し印象が残るのでありがたい展開でした。
最後まで通して見て、全員印象的で、全員必要な要素だったのが良かった。
テンポが良い
場面の切り替わりだったり、いつもより早めに再生されていたり
(電車に乗りまくるシーンの表現が気になりました、手が込んでいる)
アメリが起こす行動が何故か上手くいき、彼女の周りの人間が持っていた悩みが「幸せ」な結果へキレイにたどり着いていく。
アメリが気になる相手にアプローチするシーンは大体手段がとても回りくどいのに全然嫌だなとも思わない。
寧ろピタゴラスイッチを見てる時みたいに、一つ何かを行えば自然と物事がキレイに進んでいく流れがとても気持ちよかった。
面倒くさくなく、理にかなった回りくどさだから見守って味わうことができました。
自分の「嫌」を自覚しているであろうところ
アメリが人の幸せを考えて行動するけど、全部回りくどいんですよ。
それやったの私ですとか、そういう自己主張を全然しない…
その、アナタの思い出のハコ、見つけたの私なんです、って持ち主に言いもせず…。
なので、流れ忘れちゃったけどとあるタイミングで
「でも、わたしは普通の人間関係が結べない」
って一言を聞いただけでアー……て自分の気持も落ちちゃうのを感じました。やだね。
感情移入か似たようなことあるんでしょうね、ベクトル違うかもだけどめっちゃあるな……鬱…
自分が持つ殻から抜け出していた所
一番はやっぱりここですね~…
前の項で述べた感じのフラストレーションをために溜め込んで、最後にいくにつれ
「え…どうしてそんなことするんだ…いやわかる…アメリ、失敗とか怖いもんな…」
って思っちゃうシーンがあるんですよ。
今やらないと絶対後悔するぞ…って多分見る人全員思うシーン。
『かわいい、私のアメリ。おまえの骨はガラスのようにもろくない。思い切って人生にぶつかっても大丈夫だ。もし、おまえがこのチャンスを逃したら、時は過ぎ、おまえの心はわしの骨のように、すっかり乾いてもろくなってしまう。さあ、彼の元へ。行きなさい』
ーガラス男・レイモンの言葉
もうなんかわかんないけど、見てる人間がアメリに言いたい言葉を、
その言ってる役柄の人しか言えない要素を絡めてある言葉でアドバイス送ってて
な、なんてクレバーでオシャレなんだ…て、うわ~、、、、って思いながら、
そのまま勇気を出して、回りくどいことはやめて、
直接的な行動を起こし始めるアメリを見てが、がんばれ、、うわ、うお、、、
うお~~~~~~~~(泣)
…うお………(スタッフロール)
で終わりました。
とてもピュアな人同士が結ばれた、きれいな映画だった。
気になったところ・わからぬところ
そ、そんなとこにあるわけないやろ
バスルームのタイルが浮いて、タイルをどかしたら謎の空間。
その空間に空き缶の中に誰かの思い出の品が沢山はいってる…
あ、あるわけないだろ…!!!フランスならよくあるのかな?(
でもこうでもしないと、物語って始まらないんだな、を許容し始めております。
実際この空き缶を元の持ち主を探し出して、直接ではないにしろ持ち主に返して
その喜ぶ姿でアメリは人を幸せにすることを第一に考え行動し始めるんですから。
急に想像の世界が始まる
お、急に白黒の映像が入り込んでわからなくなったぜ。
っていうのが2回くらいありました。
あとガラス男にビデオを2回ほど渡すシーンがあったんですが
あそこも良く分からなかった。何回かみればわかるのかなあ。いや、わからん。
手段は選ばない
不法侵入!
それ不法侵入!その上イタズラを仕込む!不法侵入!
まあ、だめだけど、面白いし悪いやつは懲らしめる的にいいか、とはなりましたが
いや、不法侵入するやつが多いな?倫理…
まとめ
幼少期に同年代の人との関わりを持てなかったアメリと、
同じく幼少期にイジめられてまともな関わりを持てなかったニノ。
おそらく似た者同士がこじれながらも最後は言葉を交わすこともなく結ばれて本当にきれいなお話でした。
幼い頃上手くいかないことがあって、勇気が出ないままやれないこと、あると思う。
だけど、ガラス男レイモンの言葉がこの作品で一番言いたいことだったと思うし
実際自分の中で刺さったんですよね。
眼の前に有るチャンスを、失敗を恐れず、あきらめず、
何度でも挑戦出来るうちに失敗したり、その結果学んだり、
段々とその人なりの幸せを得るのも人生で、生きることなんだなって。
最後にアメリの父親が、ずっと家に引きこもり、外に出ていくことを拒んでいたのに、数ヶ月にわたるアメリの幸せなイタズラで心変わりをしていく。
大荷物を持ち、急ぎつつもたもた家を出て、そばに止まったタクシーへ乗り込み
「国際空港へ」と告げて、車は走り去っていく。
私も失敗とか怖いけど
一番は「これやっときゃよかった…」をやらずに後悔するのが嫌なことです。
あきらめずに挑戦する、チャンスを掴む大切さを、今一度気付かされた作品だと思いました。